頸椎由来の頭痛に対して外科的手術を行った臨床報告で考えたこと。




Cervicogenic Headache をきたした不安定性頚椎に対する 後方固定術―2 例報告―
Posterior Fusion for Cervical Instability and Cervicogenic Headache:A Report of 2 Cases

佐々木 修*1 鈴 木 健 司*1 斉 藤 明 彦*2 矢 島 直 樹*2 山 下 慎 也*1 中 村 公 彦*1
Osamu Sasaki, M. D., Kennji Suzuki, M. D., Akihiko Saito, M. D.,
Naoki Yajima, M. D., Shinnya Yamashita, M. D., Kimihiko Nakamura, M. D.
   https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/25/3/25_280/_pdf


Cervicogenic Headachというのは、頸椎原性(頸椎由来の)頭痛という意味だそうですが、
このスタディケースでは、頸椎の不安定性を外科的手術で固定したら、頑固な頭痛が改善した例が報告されています。

掲載されている患者のMRIを見てみると頸椎のカーブが波を打っているのがわかります。
きっと腰椎も後弯し、骨盤は後傾して結構な猫背タイプなんじゃないかと推察されます。

また脊柱管の中を通っている脊髄が、糸をピンと張ったように緊張している様子が見て取れます。(仰臥位でのMRI所見では健常者の場合、重力で脊柱管の後ろ面に脊髄が触れていることが多い)

頭の位置で頭痛が悪化するということから
特に頚部屈曲(下を向く動作)で脊髄にテンションがかかり、さらに文献にあるようにC4レベルでより圧迫がかかるのだと思います。

また脊髄にテンションがかかると後頭骨の大孔で付近で延髄が圧迫され
吐き気などを呈するのではないかと推測されます。

頸椎固定術により頸椎が動かなくなった分、運動可動域も制限され、脊髄へのテンションが減じたのでしょうか。

きっとその後は下部頸椎や、胸椎、腰椎で運動を代償せざるを得なくなるでしょう。

術後の経過も知りたいところです。

文献中の
頭痛の発生原因を考えるうえで今回経験した 2 例に 共通する興味深い所見は次の2点である.􏰀C4/5レベ ルの非外傷性の著しい instability で,頚椎機能撮影で著 明な angulation が認められた,􏰀2  同部の棘突起間に麻酔 薬やステロイドを注入するブロックで痛みは一時的にせ よ消失したこと,である.すなわち前後屈に伴い X 線写 真で明らかなように正常の可動域をはるかに超えた棘突 起間の開大,縮小が発生し,同部の靭帯や付着する筋肉 に慢性的に異常な収縮,弛緩を強いていたことである. 
により、頭部前突姿勢が習慣化してしまっている女性で、伸展をしてもらうと、猫背のまま異常に上を向く動作をする方も、日々のオフィスワークで目にしているので、文献の内容に納得しました。

さて、私の場合なら
まず、頸椎の生理的なカーブ獲得のために、腰椎や胸椎の状態も調べたいところです。
また日常の動作、習慣もお聞きしたいです。
さらに、頭頸部の回旋度合いや、体軸の傾きなども調べたいと思います。
顎位も気になる要素です。

一言に「頚部の問題」といっても
その問題を起こしている要素は多岐に渡ります。

今後のカイロプラクティク・ケアのためにも
大変参考になる文献でした。

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