5mmズレていても何ともない?

第一頸椎である環椎と第二頸椎の歯突起は
強固な靭帯で固定され、通常であれば前後にズレて、動くことはありません。

しかしこの環椎歯突起間の距離が5mm以上ズレると
脊髄を圧迫し、脊髄損傷を起こす恐れがあります
教科書的には。

先日、某県立病院の脊髄専門の先生からお話を聞く機会をいただきました。

上部頸椎領域の、色んな症例のお話を聞かせていただきました。
歯突起がもともと分離している人、
リウマチなどの炎症で前述した環椎歯突起間距離が5mm以上ある人
変形で後頭骨と第一頸椎がくっついちゃった人などなど

そこで、僕もちょっと疑問をぶつけてみました。

「環椎歯突起間の距離が5mm以上空いて、なおかつ頚部屈曲をさせると脊髄損傷の恐れがあるということですが、第一頸椎が可動域いっぱいに回旋している時は、結構椎間孔が狭くなりますよね?その時って脊髄は圧迫受けたりしないんですか?」

「いや、回旋しても結構スペースに余裕あるからね。大丈夫ですよ。さっきの環椎歯突起間距離が5mmあったとして、屈曲したりしても、そんなすぐには影響ないですよ。すぐに脊髄損傷も起きるわけではありません。ただ、不安定だと危険なので、そういう人は外科的に固定するだけです。」

5mmずれてても、何ともない?やっぱりというか何というか、、、。
まあそりゃそうだよね。普通の人が首の回旋したり下向いたりした瞬間にすぐに何か起こるって事ないもんね。

カイロプラクティックでは椎骨の変位が椎間孔を狭窄し
神経伝達に干渉、ないし妨害することで
全身の不調和を起こす

とされています。

そのカイロプラクティック的椎骨の変位は
5mmよりももっと僅か。

もしかしたら、サブラクセーションは脊髄、ましてや脳幹の物理的圧迫には直接関係ないのか
いや、僅かな変位でも、見えない何かには影響があるんじゃないか?
脳脊髄液の流れは変化してしまうんじゃないか?

もし、まったく物理的圧迫に関係ないとしたら、単純に椎骨の回旋、または側屈位が慢性的に継続した結果
後頭骨下筋群の緊張や、体のねじれ、重心の偏りが起こす
各部筋肉、筋膜、関節への負荷?
それが結果的に筋力の低下や可動域の制限を起こしているだけ?

筋緊張の持続が血流の低下を招き、痛みや痺れをおこしたり
なんとなくだるい、というような不定愁訴を引き起こしているだけ?

脳幹への物理的な圧迫が起こらないとしたら
自律神経への影響は椎骨動脈の血流障害?
椎骨動脈が脳幹を圧迫するって大阪大学の文献もあったよな、

または第二頸椎のすぐ傍に存在する交感神経節への物理的な圧迫があるのかな?もしくは頚部の筋緊張が周辺の血流低下を招いて交感神経節がどうかなっちゃうのかな?そういった影響が自律神経の不調に関連しているのか?

などなど、
5mmズレていてもなんともないという言葉が脳裏から離れず
根拠もない事をいろいろと考えてしまっています。



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