頸部固有知覚の変化が平衡障害を生じる
調べ物をしていたら、面白い論文見つけました。
頸部振動刺激の身体平衡に及ぼす影響
日本医科大学耳鼻咽喉科学教室(主 任:奥 田 稔教授) 森園徹志
はじめに
体平衡を維持するための入力として,半 規管・耳石 器や視覚とともに,自 己受容器からの情報が重要であ ることはよく知 られている.そ の自己受容性感覚の中 で も,特 に頸部からの入力が平衡系に深 く関与す るこ とがMagnus1) 以来注目されている. 頸部からの求心性入力が他の躯幹や四肢筋と比べて とくに強い理由として,頸 筋の解剖学的特徴があげら れる.す なわち深部知覚の感覚装置である筋紡錘の分 布密度が,他 の運動に関係した筋肉での筋紡錘の密度 と比較して圧倒的に高い2)3)4)という理由にある.ま た 生理学的には,頸 部からの求心入力を操作することに よって,眼 振や種々の平衡障害が発現することが知 ら れている.
中略
従来か ら頸性眩量症 と言われているなかには,椎 骨 動脈系の血流障害によるものも含まれるが,椎 骨動脈 撮影等でめまい発現 と結びつくような楯環不全が証明 され る例 は少 な い.ま た,Berganら43) に よれ ば,椎 骨・ 脳底動脈の循環不全の場合 は,平 衡失調が単 独で 発来することはむ しろ少な く,言 語・ 視力障害,病 的 反射 等の中枢障害を示唆する症状を伴 うのが普通であ る.頸 部交感神経の緊張が椎骨動脈の収縮 をもた らし, 灌流領域 に病 的変 化を発生 させる とい うBarre44), Lieou45)の説 も,考 え方 としては受 け入れ られても,他 覚的検査所見はあまり示されていない.結 局,椎 骨動 脈 循 環 不 全 が 頸 姓 眩 量 症 の 原 因 と な る 場 合 は, Jonkees46) の言 うように,極 端 な症例を除いては信懸 性 に欠ける可能性がある. 一方,迷 路障害者やむちうち症などで後頸部筋の緊 張の異常亢 進状熊に あるものな どでは,頸 部深部受容 器か らの異常入力が頸性め まいの原因 として考えられ る25)28).今回 の結 果 は,頸 部 固有知 覚の 変化 が平衡 障害 を生 じ得ることを示す ものであ り,頸 部振動刺激検査 が頸性め まいの他覚的検査 としても役 に立つ もの と考 える. ヒ ト.ネ コ,サ ルで正常時には頸眼反射の利得 が低 いが,前 庭神経の損傷などにより前庭動眼反射が欠落 すると頸眼反射の利得が増大 し機能代償を行 うことが 知 られて い る47)~49).したが って,末 梢前 庭 障害例 で は, 姿勢制御における頸部固有知覚の入力の役割が増大 し ていることも考えられる.小 林ら50)~521頸は部振動刺 激が一側 迷路機能低下例の温度眼振の緩徐相速度に影 響を与え,健 常者ではあまり影響はないことを示して いる.こ れ と同様 に,一 側迷路機能低下例の体平衡に 頸部振動刺激が与 える影響 は今後の検討課題 として興 味あるところである. まとめ 頸部入力が身体平衡に及ぼす影響 を調べ るために, 健康成人の頸部振動刺激時の重心動揺を調べた.平 衡 機能計 の上 に直立 した状態 で上頸部 に振動刺激 を行 い,刺 激 による重心動揺の変化を,コ ンピュータで解 析 した.頸 部振動刺激 により,動 揺中心は前方に移動 し,動 揺の振幅も特に前後方向で増大した. 頸部の固有受容器からの入力が,体 平衡に大きく関 与 しているもの と考 えた.
引用終わり
上部頸椎領域の後頭下筋群には固有受容器が密に存在しています。
頭部のわずかな傾きや、環軸関節のわずかな回旋にも敏感に反応をします。
めまいやふらつきを訴えるクライアントさんの中には
サーモグラフィの検査で測定すると、後頭下筋群の過緊張を起こしている側の温度が高く検出される傾向にあり、またリスティング側と一致することが多いです。
その場合、上部頸椎アジャストメントの後のめまいやふらつきの改善率は高くなります。
先日もふらつきを訴えるクライアントさんが
アジャストメントの後２〜３日でふらつきがなくなったと言っていました。
カイロプラクティックはめまいやふらつきを改善する目的で行うものではありませんが、
こういうメカニズムも知っておいたほうが良いですね。
頸部振動刺激の身体平衡に及ぼす影響
日本医科大学耳鼻咽喉科学教室(主 任:奥 田 稔教授) 森園徹志
はじめに
体平衡を維持するための入力として,半 規管・耳石 器や視覚とともに,自 己受容器からの情報が重要であ ることはよく知 られている.そ の自己受容性感覚の中 で も,特 に頸部からの入力が平衡系に深 く関与す るこ とがMagnus1) 以来注目されている. 頸部からの求心性入力が他の躯幹や四肢筋と比べて とくに強い理由として,頸 筋の解剖学的特徴があげら れる.す なわち深部知覚の感覚装置である筋紡錘の分 布密度が,他 の運動に関係した筋肉での筋紡錘の密度 と比較して圧倒的に高い2)3)4)という理由にある.ま た 生理学的には,頸 部からの求心入力を操作することに よって,眼 振や種々の平衡障害が発現することが知 ら れている.
中略
従来か ら頸性眩量症 と言われているなかには,椎 骨 動脈系の血流障害によるものも含まれるが,椎 骨動脈 撮影等でめまい発現 と結びつくような楯環不全が証明 され る例 は少 な い.ま た,Berganら43) に よれ ば,椎 骨・ 脳底動脈の循環不全の場合 は,平 衡失調が単 独で 発来することはむ しろ少な く,言 語・ 視力障害,病 的 反射 等の中枢障害を示唆する症状を伴 うのが普通であ る.頸 部交感神経の緊張が椎骨動脈の収縮 をもた らし, 灌流領域 に病 的変 化を発生 させる とい うBarre44), Lieou45)の説 も,考 え方 としては受 け入れ られても,他 覚的検査所見はあまり示されていない.結 局,椎 骨動 脈 循 環 不 全 が 頸 姓 眩 量 症 の 原 因 と な る 場 合 は, Jonkees46) の言 うように,極 端 な症例を除いては信懸 性 に欠ける可能性がある. 一方,迷 路障害者やむちうち症などで後頸部筋の緊 張の異常亢 進状熊に あるものな どでは,頸 部深部受容 器か らの異常入力が頸性め まいの原因 として考えられ る25)28).今回 の結 果 は,頸 部 固有知 覚の 変化 が平衡 障害 を生 じ得ることを示す ものであ り,頸 部振動刺激検査 が頸性め まいの他覚的検査 としても役 に立つ もの と考 える. ヒ ト.ネ コ,サ ルで正常時には頸眼反射の利得 が低 いが,前 庭神経の損傷などにより前庭動眼反射が欠落 すると頸眼反射の利得が増大 し機能代償を行 うことが 知 られて い る47)~49).したが って,末 梢前 庭 障害例 で は, 姿勢制御における頸部固有知覚の入力の役割が増大 し ていることも考えられる.小 林ら50)~521頸は部振動刺 激が一側 迷路機能低下例の温度眼振の緩徐相速度に影 響を与え,健 常者ではあまり影響はないことを示して いる.こ れ と同様 に,一 側迷路機能低下例の体平衡に 頸部振動刺激が与 える影響 は今後の検討課題 として興 味あるところである. まとめ 頸部入力が身体平衡に及ぼす影響 を調べ るために, 健康成人の頸部振動刺激時の重心動揺を調べた.平 衡 機能計 の上 に直立 した状態 で上頸部 に振動刺激 を行 い,刺 激 による重心動揺の変化を,コ ンピュータで解 析 した.頸 部振動刺激 により,動 揺中心は前方に移動 し,動 揺の振幅も特に前後方向で増大した. 頸部の固有受容器からの入力が,体 平衡に大きく関 与 しているもの と考 えた.
引用終わり
上部頸椎領域の後頭下筋群には固有受容器が密に存在しています。
頭部のわずかな傾きや、環軸関節のわずかな回旋にも敏感に反応をします。
めまいやふらつきを訴えるクライアントさんの中には
サーモグラフィの検査で測定すると、後頭下筋群の過緊張を起こしている側の温度が高く検出される傾向にあり、またリスティング側と一致することが多いです。
その場合、上部頸椎アジャストメントの後のめまいやふらつきの改善率は高くなります。
先日もふらつきを訴えるクライアントさんが
アジャストメントの後２〜３日でふらつきがなくなったと言っていました。
カイロプラクティックはめまいやふらつきを改善する目的で行うものではありませんが、
こういうメカニズムも知っておいたほうが良いですね。
人体の仕組みを活かし
人の手によるナチュラルな方法で
必要な時、必要な量、正しい場所に、
最小限のアジャストメントで最大限に身体の機能を引き出す。
そしてクライアントさんとの心のつながりを大切に。
最後に笑顔になっていただくのがミッションです。
まつもと上部頸椎：カイロプラクティック
首の歪みを調整し、体のバランス、自律神経機能を改善させています。
金沢市泉が丘1-14-12
予約優先制 ご相談・カウンセリングは無料です。
tel;076-272-8655
まつもと接骨院：柔道整復
交通事故によるむち打ちなどのケガは柔道整復師として対応します。
※交通事故の場合費用は自賠責保険、任意損害保険により保障されます。
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